Q:今、『火の鳥』を読んでいるのですが、手塚治虫の宗教性ってどんなふうなのでしょうか?
(長野県 K.Mさん)
A:手塚氏はおそらく世界で最もよく「マンガの記号性」を理解していた人だと思います。日本マンガ文化がこれほど成熟したのは、そのことと無関係ではありません。マンガの宗教性については、機会があればあらためてお話したいテーマです。
さて、手塚氏の作品に底流している宗教性にはどんな特徴があるのか、手塚治虫研究に造詣が深いFさんと対話してみましょう。
釈「手塚氏の宗教性といえば<個が全体に回帰する>という語りが目につきますね。
例えば、<死ねば大いなる生命に帰っていくのだ>というものや、
<すべての生命はつながっている>といったメッセージなどが特徴的じゃないでしょうか」
F「はいはい、確かに。
ただその生命は<動物・植物・昆虫などすべての生きとし生けるものがつながっている>
と語るところがポイントです」
釈「なるほど、そういえば手塚氏は昆虫大好き少年だったんでしたね」 おしまい…。
ちなみに、私が子供の頃、少年マンガ雑誌に載っていたのを読んだのですが、「もし生まれ変わったら何になってみたいですか?」という質問に対して、手塚治虫氏は「お坊さん」と答えておられました。